我々日本人は、原子力エネルギーを拒否すべきだった
5月14日(月)大久野島と広島市で、二人の語り部さんの話を聴いた。
<大久野島毒ガス講話>
大久野島は、第二次世界大戦の時、国際条約で禁止されていた毒ガスを密かに製造していた島。
毒ガスと原爆には共通点がある。
1)無差別に人を傷つけたり殺したりすること
2)自然にまで影響を及ぼすこと
日本は、戦時下において使ってはいけない毒ガスを密かに作り、その事実を隠蔽した。
隠蔽のために中国で地中に埋められたボンベが、9年前に工事現場で掘り起こされ多くの被害が出た。戦争はまだ終わっていない。
<広島被爆者体験講話>
街全体が焼け野原。人間の焼け焦げる臭いと腐臭。たくさんの魂が漂った。
音速の数倍とも言われる爆風と衝撃波。どんなだったろう?
原爆孤児。障害をもって生まれた赤ちゃん。
せっかく生き残ったにも関わらずケロイドにただれた顔をはかなんで自殺した女性。
無事であった者へのやっかみ、中傷や差別。
残酷な運命、悲劇としかいいようがない現実。
大久野島では、毒ガスを作っていたという事実を日本は隠した。
原爆被害では、放射能による障害をアメリカ軍は隠した。
今、福島原発による様々な影響や被害の予測を誰も隠していないと言い切れるだろうか。
「私たちは、戦争のない世界をつくることができるのだろうか。」
「平和の原点は、人間の心と心のふれあいです。」
心に響く話だった。
改めて、村上春樹の言葉を思い出す。
「我々日本人は原子力エネルギーを拒否すべきだった。」
そのとおりだという思いは、確信に変わりつつある。
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