きみはポラリス
三浦しをん著「きみはポラリス」(新潮文庫)読了
11話からなる短編集。1日1話を目標にして読んだ。
最初の数編までは、(長編にならないと著者の魅力が感じられない)と思っていたが、
読み終えた時には、長編を読んだ時と同じような感慨があった。
「どうして恋に落ちたとき、ひとはそれを恋だとちゃんと把握できるのだろう。」(P81)
「真理子は宗教を信じていたのではない。人間を超越した存在を体感していたのだ。この二つは似ているようで性質がまったく異なる。」(P117)
「いま思えば『洗脳セミナー』以外のなにものでもない。狂気の沙汰だ。苦しかった。そしてとても恐かった。(中略)狂っている。だが、だれが?」(126・127)
『あなたと森を歩きたい』という言葉は、「アマゾンのインディオのあいだでは、『あんたとセックスしたい』って意味なんだ。なったって彼らは壁もないような見通しのいい家に住んでて、逢い引きの場は森しかないからなあ」(248)
「あれを読んで以降、俺は心に決めている。食い物があるうちは、好き嫌いや選り好みをせず、生きていけるだけの飯をきちんと食おう、ってな。」(P262)
付箋をつけた。
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